大島石マガジン

第66回「大島石あれこれVOL7」

2014/01/08

私が大島石で生活の糧を得るようになってから十八年の歳月が経過致しております。

ようやく今年長女が小学校に入学です。全く夢のような歳月でした。

 

 

このように私が丁場師として石山に夢中になっております間に、

まあ世の中変れば変ったものです。近頃、PTA等の会合に出席してみて、

その家庭生活にまで及ぶ凄まじいばかりの学校の生徒管理に、

まず卯天してしまいました。

 

私は人からよく子供を大事にし過ぎるという御意見を頂戴致します。

年を取ってからの子供ですので、全くその通りでありますから、

卒直にこれを認めて恐れ入っているのですが、

しかしながら親があるのに愛護班が無ければ、

海があるのにプールが無ければ子供が良い子に育たないなどとは毛頭思っておりません。

 

ましてや親が学校の大掃除をするなど、

どこかの遠い外国の古いお話で日本の学校の現況とはとても思えませんでした。

もうこうなりますと過保護を通り越して、今はやりの責任転化の悪循環で、

国を揚げての甘やかし教育、行く末が見物です。

 

 

私の教育に関しての無知無見識ぶりはこの位にして、

この十年程の間に大島石材業界を取り巻く容態はどう変わったか。

実はこれも学校の生徒管理に変わらず

行政(愛媛県)の管理が正に音を立てて押し寄せる如く、

この業界を席巻し、身動きもままならないのが現況です。

 

たとえ小規模とは云え、事故も多く、環境を破壊すると云うことから、

その作業過程は自然へのいたわりと豊かな人間愛に裏打ちされたものでなければならないのは我々業者も十分に承知していることなんですが。

 

その内容は一般の方には想像もつかないような複雑多岐に亘っていて、

その対応と対策には随分と無駄な学力を費やしているんです。

 

 

全く夢のない話なんですが、現在我々丁場師に許されている全くの自由と云えば、

誰を雇ってもいいことと製品を誰に売っても良いと云うこと。

それに建設機械の選択ぐらいのものなんです。

 

種々の事情があるにせよこれまた、責任転化の悪循環の見本であります。

これからの日本人はもう少し自己の確立と云った様なものから考え直す時期に来ているように思えます。

行き過ぎた管理社会は建前ばかりが先行し、全く実情とかけ離れた書類の山が行政の間を廻っているだけなんですから。

 

 

ところが我々丁場師は、その(1)から(4)で前述致したように、

何もかもが感と予測で成り立っている商売ですから、

こう云う仕事を長い間続けておりますと全ての物事を近頃はやりのフィーリング(感覚)でやり飛ばしてしまう癖がついてしまうんです。

 

仕事そのものの浮き沈みも大きく、不安定であり、また失敗や見込み違いも多く、

細かい事にこだわっていては長続きしないんです。

つまり大雑把な性格が形成されてしまうんです。

またこの大雑把な性格こそがこう云った賭け仕事には不可欠な活力源ですので一層始末が悪いんです。

 

 

こう云った自由奔放な性格が形成されてしまった丁場師達を、

息も詰まるような管理の枠に当てはめるということは、いわば抜き身の包丁を風呂敷で包むようなものであり、

一重、二重では包む方も怪我をするので五重、六重にもした結果が現況のようになったんだと思います。

行政側もその存在意識をかけての戦いですから(簡素化すると仕事がなくなる)、この業者と行政(愛媛県)との葛藤は当分続くとの予想です。

 

続く

 

 

 

 

 

大島石産出元 ㈲山西石材  小田 和比古

フリーコール 0800-700-1194

 

oda

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