大島石マガジン

第64回「大島石あれこれVOL5」

2014/01/06

たとえ小規模で全述のような内容の事業であっても、

大島石は宮窪町の主要産業の一つでありこれが自然を破戒する作業ということになりますと、

当然の事ながら、事業としての社会性とモラルが厳しく問われる時代になっております。

 

 

その社会性の中の一つの雇用力は現在の所約二〇〇名程なんですが、

この人達を労働災害から守り、その生活を向上させることが、

この町が過疎の町から免れるための大きな役割を背負っていると言っていいでしょう。

 

大島石は現在でもまだその大部分が露天作業であり、

酷暑と寒風の中で常に危険な要素囲まれていて尚、

石切場に踏み留まってくれている人々は正にこの業界の宝なんです。

 

この職人と呼ばれた人達、

その奥の深い不確定要素の固まりのあの硬い大島石をテキパキと手早く処理していく技術は、

書に著わせば十分に一冊の本を成す程なのです。

 

 

 

大島石丁場の仕事というものを一口に申しますと、

それは露天の厳しい肉体労働でありながらその大部分が予測で成り立っているのです。

土の下にある大島石の予測から始まって、

大きな塊状岩石(商品価値のある大島石)を大地から火薬を使って切って離す作業から

小さな墓石の形にするまで作業は全て予測でもって進められ、

その予測と結果の誤差の少ない程、良い職人と呼ばれる訳なんです。

 

勿論、大島石の割れ方には、水平、東西、南北とそれぞれ規則性を持ってはいるのですが、

(この規則性を現場では目と言い、学校ではへき開と教えられます。)

それ等が非常に曖昧なのです。

これを長い経験でもって巧みに利用しながらその曖昧さを腕で補いつつ

順々に小さく仕上げていくのです。

 

こうした貴重な丁場で働く人々が年老いた退職の時点に於て残ったのは、

借金と神経痛だけなどといった悲劇をなくすため、

事業主もまたノミ槌の丁場から近代的な採石事業への脱皮のため、

石材単価の大幅引き上げの必要があり、

これは随分と危険な賭けを繰り返してきたものです。

 

お蔭様にて、何とか最低限の福利厚生も行き渡りつつあり嬉しい限りです。

 

 

それにしてもまあ長い間、

近頃はやりの権利主義など殆んどしないで黙々と働いてきたものです。

今だに昔ながらの親方と若衆の関係に近いのです。

 

 

権利と言えば、今の世の中全く権利主張の渦の中にいるようなもので、

それと不可分である筈の義務の方が忘れがちに見えてなりません。

例えば、よく聞く国家からの補助金の争奪などのいい例で、

現在の複雑な社会機構や体質、また時と場合にもよる事は、

よく承知している積りなんですが。

 

 

所詮国家なんてものは、隣人の集まったものであり、

国に対しての権利主張はお隣の人に向かって、

あなたは私の生活をもっと向上させる義務があるとわめいているようなもので、

そんな恥ずかしいことを言っている暇があったら、

義務先行と自助努力をなすべきです。話がちょっと横道にそれてしまいました・・・・・。

 

 

続く

 

 

 

 

大島石産出元 ㈲山西石材  小田 和比古

フリーコール 0800-700-1194

 

oda

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