2015/11/20
大島石のランク、目線の違いシリーズ③総括編! ”小売店の目線” です☆
① 採石所
② 加工メーカー ときまして、
今回の③ 小売店で総括です。
原石採掘、加工ときた大島石がいよいよ、
小売店を介して一般のお客様の前にお目見えします!
つまり小売店は、われわれ原石や加工メーカーを含む業界と、
一般の方を結ぶ代表窓口であるといえます。
そのキーワードは 「ギャランティ・ワランティ」
さて本題。以下の例をご覧ください。
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とある町の朝刊で、、、、、
”大島石特級” と書かれた墓石が A店のチラシで 150万円、、、
同じく”大島石特級”と書かれた墓石がB店のチラシで 250万円、、、
そしてB店の”大島石一級”と書かれた墓石が150万円、、、
「店が変わると、”大島石特級”と”大島石一級”が同じ値段、、、???」
しかもそれで現物をみても、さっぱりその差がわからない。
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一方WEBや報道などでは、、、、
”大島石”の素晴らしさ、貴重性、採ることの大変さや加工のことなどを説明して
その魅力を伝えようとしている 記事が見られたり
逆に
”大島石”の流通の裏側をリークして、不安になるような記事があったり。
何が真実で何が嘘なのか。
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または商談において、、、、
C店で大島石特級の見積もりをとって、
その値段の妥当性を確かめるため D店に相見積もりに行った。
そこで同じような内容で安くなったので、もうその店で決めようと思ったが、
C店の営業が食い下がってきて、それよりも安くするということで、
その熱意に負けてC店で大島石特級を契約した。
しかし、 もともとの値付けってなんなんだろうか、、、、、、?
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これらの混迷の原因はなんといっても、、、
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大島石は自然の産物であり、その価値を公的(に近い影響力で)決定、保証する機関がない
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ということに尽きるでしょう。
例えば ダイアモンドなどの宝石でしたら、 その鑑定基準をもつ代表的な組織が何社かありますので、
そこを通過した個体には、ひとつの”定価” ”ランク”ができているといえます。
E とか、 VVなんとかとか笑
しかし大島石にはそのような影響力の強い審査機関が存在しませんので、
それぞれがそれぞれに価値をつけているのが現状です。
(※産地証明書は存在しますが、品質の鑑定書、保証書ではありません)
そうしますと、、、、、
⇒ 各小売店によって、仕入れている大島石の値段やランクが違う
⇒ しかしそれを一般の方が判別するのは非常に困難
⇒ 値段の高い石が、必ずしもパッと見において綺麗とは限らない
(石の評価は見た目だけでなく品質も含めたトータルバランスだから)
⇒ 特級 とか 一級 というネーミングは小売店で好きにつけられる
ということです。
ギャランティ・ワランティのないことは小売店にとって、ある意味 迷惑な話でもありまして(苦笑)
これがないがゆえに、
「いいものをそれ相応の値段と価値で売りたい」 という業界を背負った良心と
「いいものをできるだけ安く買いたい」 という万国共通お商売の鉄則 の間で 揺れるわけです(苦笑)
上述の、よくある実際の疑問などはすべて、
ここがクリアされればほぼ解決しちゃいます。
しかしそんな中でも、プロの小売店は知っています。
パッと見だけではわからない大島石の本当の価値を。
きちんと自分の経験に裏付けされた目利きでもって、
適正な大島石の価格を提示します。
逆に一般の方が、広告やWEBなどの情報をもとに相見積もりを重ね、
「安くていい大島石」を探し続けるとしたら、
それは果てのない話です。 方法がないわけではありませんが、
影響力の強いギャランティ・ワランティがない以上、
どこかでそれは破綻します。お勧めしません。
さて総括として。
こうして大島石について語り続けているわけですが、
あくまでそれは、たいへんすぐれた”素材”に過ぎません。
”祈り” や ”霊性”を宿すための 研ぎ澄まされた”器”です。
それを活かすも殺すも、いい加工次第。
そしてその先に、 お客様の想いを受け止め、
如何に”良いお墓”として形作ることができるかが、 小売店の力次第です。
お墓とは家づくりに似たものですから、 モノを売る商売ではないわけです。
いわば建築業ですから、
そこは素材、加工を含めた業界のすべてが結実する、重要なポジションなんですね。
ぜひ、 お墓をつくること自体ではなく、
お墓をつくることで 誰を幸せにしたいのか という目的をまず大切に。
小売店で語らってみてください。
そしてその中で、大島石がお役に立てることがありましたら幸いです。
最後の余談・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大島石の価値、ランク。
それを図るひとつの例があります。それは。
きわめて多くマネをされているという事実ッ!
海外(主に中国)から山ほど輸入される墓石の多くは、
この大島石の人気にあやかったものです。
「これ、大島石に似てるでしょ。大島石みたいでしょ。でもこんなに安いんですよ」
という提案でもあるのです。 そうまでしても、欲しい。それが大島石。それほどの価値があるということです。
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大島石”山西”産出元 ㈲山西石材 小田和比古
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