大島石マガジン

第16回「お待ちいただく価値のあるもの」

2013/10/16

現状の墓石は一般の方から見ますと、

 

まるで、 ”スイッチを押せばポンっとでる

 

と言わんばかりの短納期で建てられるようになっております。

 

 

 

家族のどなたかがお亡くなりになられ、お葬式に後始末に、、、、、もろもろを終えて、

ようやく一息ついた一週間後くらいになって、

 

 

49日までにお墓を建ててください。できるんでしょ

 

 

といった依頼を、墓石小売店では多く受けるようになりました。

※ そうすると実際には、30日弱くらいしか納期がありません。

 

また小売店としてもその短納期を売りにして広告宣伝をされる業者さんもおられます。

 

 

一時期、原石が豊富にあり、さらに中国での安価な加工が全盛だった頃には、

それも可能だったのですが、

(※ 中国まで石を輸送して、加工してまた戻ってくることを考えても、そのほうが早く、安かったのです)

 

中国も景気が上がってきた現在は、そう思うに任せられなくなってきました。

 

実際のお墓って、どうやってできているかといいますと、、、、

まずはこうして原石が出て

IMG_0521

 

 

そして運んで

 

IMG_6106

 

 

工場で切削、加工して

 

2

3

 

 

厳しい点検を経て、、、、(ここで残る石は、全体の5%以下!)

 

製品になります。

IMG_3796

 

 

 

 

現状はといいますと、国内でも人気の高い工場は、ものすごい受注量を抱えてフル稼働しております。

どうせやるなら、信頼の置けるその工場で作ってもらいたい。

 

しかし、あまりその工場に仕事を詰め込み過ぎると、

やはり人間ですから、クオリティは下がりますし、事故の危険性も高くなります。

 

ではどうするか。

 

 

必殺、  ”待つ”  ことです。

 

 

拍子抜けしました???笑

 

 

 

 

そりゃあ49日の法要の時に、お墓も出来ていて、なかなか集まれない親戚一同で

納骨式も一回で済ませられるほうが望ましいに決まっています。

 

 

しかし。

お墓を建てることは、一生に一回あるかないかの大イベントです。

感覚的には、住まいを建てるのと同じですが、

お墓の方がさらに耐用年数が長いです。1000年近く経っても、石は基本的に大丈夫です。

 

集まってくれる親戚一同ももちろん大切なのですが、

それを気にしすぎて、やっつけ仕事のお墓を建てるのは、

本末転倒のような気がします。

 

一番大切なことはやはり、

 

そのお墓の中で眠る人   ではないでしょうか。

 

であれば、法要は法要で済ませても、

お墓はしっかりしたものをじっくり作ってもらって、

いいお墓の中で眠ってもらうほうがお互い嬉しいのではないでしょうか。

 

 

じっくり待って、工場を信頼して、

いいお墓を作ってもらう。これは今や贅沢なことのように思えますが、

金銭的には負担に変わりはないでしょう。

 

それはただ、じっくり ”待てば”よいだけです。

 

 

そうして”待つ”あいだ、石のこと、お墓の成り立ちのことなど、

石屋さんに通っていろいろお話してみてください。

その時間もきっと有意義なものとなり、

 

できたお墓への愛着も増して、

自信をもってご先祖様にプレゼントすることができると思いますよ☆

 

※ ただし、発注後の仕様変更はご用心。。。

石は一度作り始めると、もうあとには戻れないものですから(笑)

 

お墓づくりを是非、楽しんでくださいね。

1

 

広島県某所で建てた供養塔。

香川県は高松市の熟練職人の手による”小叩き仕上げ”は、

柔らかな風合いが素晴らしすぎる出来栄えです。

私なぞは、うっとり見とれてしまいます。

 

 

大島石”山西”産出元 ㈲山西石材 小田和比古

oda

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