大島石マガジン

第121回「ファイナルディスティネーション」

2014/06/16

観音様

 

先日、とある地元経済団体の会合に出席したとき、

少しこの供養業界について考える機会がありましたので、お話したいと思います。

 

 

その団体の中で私の所属している委員会は「国際委員会」というもので、

地元団体の中でも積極的に海外展開を進めている企業の委員会です。

※ 究めてローカルな業界にいる私がなぜそこに入っているかは謎(笑)

 

 

その中で活動している経営者の方々は、

私ども国産墓石業界からしますともう全くついていけないほどに、

規模、経済性、マーケット、政治力、社会的影響力の全ての面において

かけ離れた高みのステージで活動されている方ばかりです。

 

世界をとりまく国家間の流通に関わって成長戦略を練り、

政府の要人や現地大使館などとも連携しながら、

世界中から注目されるマーケットを開発していく仕事とは、

 

いち商人、いち社会人として、 ある意味 「究み」 にいるといって過言ではないような気がします。

 

先日の会でもそんな刺激的で、先進性の明るさに満ちた会話が展開されておりました。

私は何も言えることがなくただ話を聞いていたのですが、

そんななか参加者のある方が、ふいにこうお話されました。

 

「わたしの息子も海外にいて、帰ってくる気配がないんですが、

このまま進んで世界中で仕事して、

それでいったいわたしの面倒(老後)はだれが見てくれるんでしょう?」

 

 

 

言い得ないほどドキッとして、 心臓を掴まれた思いでした。

 

それは本来、自分こそが言うべき内容の立場であったはずだ、、、、、

 

 

 

 

 

また、別の経営者の方はこう言われました。

 

「優秀な人材ほど、日本に帰ってこない」

※日本に限らない。他国からでも、優秀な人間ほど、その経済の中心地から離れられない

と。

 

 

 

世界の先端で、世界中の優秀な人間と関わり、

言葉も文化も克服して溶け合っていく仕事は、お話を聞くだけでも

なんて刺激的で、明るい活力に溢れていることでしょう。

 

その方たちをみると、まるで人間の脳のチャクラが全開になっているかのような(笑)

 

明るい力に満ち満ちています。

 

そんななかでは、自分の生まれた土地や親兄弟、先祖、

これらに想いを馳せることは、とても難しいことなのかもしれません。

むしろ、そんな縁や縛りを気にしていたら、戦っていいけないものでもあるかもしれません。

 

もっといえば、地元を思うがゆえ、そうなっていく、ということでもあるでしょう。

 

蛹から蝶

 

しかしそうして、止まることのできない国際経済活動の果てに、

私たちはどのような人生のとじ方を迎えることになるのでしょうか。

 

私たちは、仕事、社会活動というものを通じて、どこへ向かおうとしているのか。

 

 

 

究極のそのとき、何を想い、何を心に残すのか。

 

 

 

そのことについて、みなさんはどのようにお感じになるでしょうか。

答えはそれぞれの心の中にある、、、、といってしまえばそれで片付いてしまいそうですが、

 

「供養」とはそこにとても大切な部分があり、

それでもって私たちを幸せにし得る力をもったものであると、そう思うのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大島石”山西”産出元 ㈲山西石材 小田和比古

oda

バックナンバー

▶ 新たな一歩を

▶ 新パンフレット完成

▶ 大島石とせり矢 Vol.277

▶ おじいちゃんから引き継いだ(かのような)コート vol.276

▶ 大島石といのちの旅 Vol.275

▶ 大島石と、サン・テグジュペリvol.274

▶ 大島石と鍛冶 vol.273

▶ 大島石と革vol.272

▶ 大島石と朝の空 vol.271

▶ 大島石と仕上げvol.270

▶ 謹賀新年と大島石 vol.269

▶ 大島石と年の瀬vol.268

▶ 腐らない大島石② vol.267

▶ 腐らない大島石 vol.266

▶ 大島石と故郷 Vol.265

▶ 大島石インスタグラム Vol.264

▶ 大島石と叩きの肉感Vol.263

▶ 大島石と商品開発Vol.262

▶ 大島石と盆灯篭Vol.261

▶ 大島石とスタイルそしてトレンドvol.260

▶ 大島石とアルビノ vol.259

▶ 大島石と地獄谷 vol258

▶ 大島石と布袋草:vol257

▶ 「大島石と伝統工芸」 Vol256

▶ 「大島石と大山石”私が大山石を好きな理由”」 Vol.255

▶ 第254回「ふるさとの国土に眠る」

▶ 第253回「pray for one」

▶ 第252回「決選投票!」

▶ 第251回「大島石とWEBと熱狂の加速」

▶ 第250回「大島石とご神体」

▶ 第249回「大島石とアーバンライフ」

▶ 第248回「不死鳥の石と大島石」

▶ 第247回「大島石とオバマ大統領とアイデンティティ」

▶ 第246回「地獄谷の大島石」

▶ 第245回「大島石とTV放送」

▶ 第244回 「大島石の値段」

▶ 第243回「大島石とグランツ―ㇽせとうち」

▶ 第242回「大島石小割」

▶ 第241回「大島石ジェットバーナー」

▶ 第240回「大島石と日本の原風景」

▶ 第239回「大島石 新規バーナースタート」

▶ 第238回「とりあえずこれ呑んどけ”大島石”」

▶ 第237回「149DC-石工男子」

▶ 第236回「奉安」

▶ 第235回「和を以って貴しとなす」

▶ 第234回「仏道と大島石」

▶ 第233回 「 感性の刺激 」

▶ 第232回「謹賀新年」

▶ 第231回「大島石とノームコア」

▶ 第230回「大島石 産地見学」

▶ 第229回「大島石 地中と宇宙と」

▶ 第228回「安心してください、、、国産ですよ。」

▶ 第227回「祈り」

▶ 第226回「大島石は1000年先まで」

▶ 第225回「弔辞」

▶ 第224回「大島石900万年待ち」

▶ 第223回「大島石と日本の原風景」

▶ 第222回「大島石と霊園」

▶ 第221回「大島石の石肌感触」

▶ 第220回「大島石ランチョンマット」

▶ 第219回「コストダウンの代償は」

▶ 第218回「家族と、友と」

▶ 第217回「大島石のランク③小売店~総括編~」

▶ 第216回「大島石のランク②加工メーカー」

▶ 第215回「大島石のランク①採石所」

▶ 第214回「大島石のランク」

▶ 第213回「自然は好きですか?」

▶ 第212回「大島石特級材」

▶ 第211回「大島石 現場編」

▶ 第210回「大島石と山と空と」

▶ 第209回「25tonもの原石からたった1基」

▶ 第208回「表裏一体」

▶ 第207回「色彩」

▶ 第206回「水と石」

▶ 第205回「目的と手段」

▶ 第204回「自然の産物との対話」

▶ 第203回「god is in details」

▶ 第202回「自然の声を感じること」

▶ 第201回「signal」

▶ 第200回「セオリーの外」

▶ 第199回「key-TOと」

▶ 第198回「広島の盆灯篭」

▶ 第197回「山西」

▶ 第196回「花火」

▶ 第195回「祭りの季節」

▶ 第194回「遠い海から」

▶ 第193回「秘境」

▶ 第192回「人の手がはいることで」

▶ 第191回「お墓のかたち、その意味」

▶ 第190回「出会うべくして出会う」

▶ 第189回「星屑の大島石」

▶ 第188回「完璧でないことがその条件」

▶ 第187回「大島石リフレッシュ」

▶ 第186回「あちらの世界から見る風景」

▶ 第185回「コトワリ」

▶ 第184回「いきもの」

▶ 第183回「春と秋のお彼岸」

▶ 第182回「墓石は石工の仕事でできている」

▶ 第181回「孤高」

▶ 第180回「nippon石博2」

Page Top